| 研究課題/領域番号 |
26780021
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| 研究機関 | 立教大学 |
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研究代表者 |
田尾 亮介 立教大学, 法学部, 助教 (50581013)
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| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | 契約と行政行為 / 行政争訟（行政不服審査） |
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| 研究実績の概要 |
本年度は、大別すると以下の二つの研究作業を実施している。
一つは、行政法学において古くから論じられてきたテーマである契約と行政行為の関係について、現代における契約化や市民参加という事象を念頭におきながら、新たな視点を付け加えるべく理論的考察に着手した。その端緒として、フランス行政契約法（droit contrat administratif）の議論状況（古典的な議論と比較的最近の議論の両方を含む）を概観し、日本法と比較対照させる作業を行った。上記研究成果の一部は、近日中に発表される予定である（研究発表〔雑誌論文〕1件目が該当する）。
もう一つは、平成28年4月より施行された新たな行政不服審査法及び整備法の構造を理解したうえで、その影響を考察することである。新たな行政不服審査制度のもとでは、審理員制度や行政不服審査会制度の導入、不服申立の二重前置の廃止等により、不服申立人の手続保障の水準の向上が図られたとされているが、それが行政争訟のあり方に与える影響については不断の検証が求められる。今後この分野の研究を推進していきたいと考えている（研究発表〔雑誌論文〕2件目が該当する）。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度に行った研究及びその成果はいずれも当初の研究計画において予定されていたものではなかったが、これまで遂行してきた研究に対して異なる視点から俯瞰する契機となり、最終的な研究成果のとりまとめに向けてより理解が深まったといえる。次年度以降の研究発表に向けた準備も進んでおり、これらの状況を勘案すると、本研究課題はおおむね順調に進展していると評価できる。
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| 今後の研究の推進方策 |
本研究課題は、都市法領域を中心として、（行政による一方的法関係形成とは対置されるものとしての）公私主体間・私的主体間の合意形成、行政による認証・認定行為、それらの作用を組み合わせた多様な法秩序形成過程に焦点を当てた考察を行うものであったが、当初の研究計画からはやや逸れてきた感は否めない。研究実施過程において当初予定していなかった新たな研究課題が芽を出すことそれ自体は研究活動の妙味として本来望ましいものであるが、いま一度当初の研究計画に立ち戻り、諸概念を丁寧に整理し、公法学における「合意による行政」の理論的含意について一定の結論を得るべく着地点を見出すことにする。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、フランス行政法の図書を多数購入したが、それにもかかわらず、体系書の分担執筆と所属機関の変更に伴う移動作業により、未使用額が生じた。
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| 次年度使用額の使用計画 |
次年度以降は、当初の研究計画に立ち戻り、アメリカ法とドイツ法を対象とした基礎的・理論的考察を行う。本年度に生じた未使用額の大部分は、その作業に必要となる洋書の購入に充てられる予定である。
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