研究課題/領域番号 |
26780023
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐俣 紀仁 東北大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 助教 (10612533)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 国際組織のアカウンタビリティ / 国際連合 / 世界銀行 / 国際組織の責任 / 国際組織の正当性(正統性) / 国際開発金融機関(MDBs) / 世界保健機関 |
研究実績の概要 |
平成27年度では、ILAの「国際組織のアカウンタビリティ」に関する報告書が公表されて以降の学説に焦点を当てて、国際法学における「国際組織のアカウンタビリティ」概念の展開過程を追った。国内での文献調査に加え、マックスプランク比較公法・国際法研究所での在外研究を通じて、欧州およびアメリカを中心として同概念にいかなる意味で注目が集まり、またどのようにその概念の位置づけや内容が展開してきているのかを把握することができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海外調査(於マックスプランク比較公法・国際法研究所)を5ヶ月間と比較的長期にわたり実施することができ、効率的かつ網羅的に意見交換や資料収集を進めることができた。この調査を経て、アカウンタビリティという英語由来の概念が、独仏語圏を含む欧州全域の国際法学で広く受容され、また独自の意味内容を付与されていることを把握することができた。加えて、海外調査では、本研究課題に関係するプロジェクト(Exercise of International Public Authority Project)との将来的な連携についても準備を進めることができたのは大きな成果であった。
|
今後の研究の推進方策 |
最終年度では、個別の国際組織に設置されている「アカウンタビリティ」を確保するための制度に焦点をあてて、それらの実行を分析する。こうした実証的な視点から得られた知見と、平成27年度以前に調査した学説・理論上の「国際組織のアカウンタビリティ」概念とを照らし合わせ、同概念の現段階での到達点を明らかにして、本研究の総括としたい。
|