本研究は、フランス・ドイツとの比較法の手法を用いて、病気休職・復職に関する課題に対する検討を行うものである。メンタルヘルス疾患の増加により、病気休職からの復帰者の復職可能性をどのように判断すべきかという困難な課題が生じている。本研究における検討の結果、復職可能性は、労働者と使用者との間の対話によって模索されるべきであり、私傷病を理由とする労働契約終了の正当性判断については、労働契約終了時点における健康状態だけでなく、休職・復職過程における使用者の対応などプロセスに着目することが望ましいとの結論を得た。
|