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2016 年度 実績報告書

高齢化社会における雇用政策と法

研究課題

研究課題/領域番号 26780036
研究機関名城大学

研究代表者

柳澤 武  名城大学, 法学部, 教授 (70363306)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード年齢差別 / エイジズム
研究実績の概要

まず、雇用保険法の改正に関して、65歳以上への適用について検討した論考では、雇用保険の年齢基準が変化した要因を検証し、諸外国との比較も視野に入れ、「長期的な課題として、本当に不可欠な年齢基準か否かを検討し、徐々に見直しを進めていくほかない」との提言を行った。また、職業訓練について、高年齢者を念頭に置いた職業訓練は、これまであまり考えられてこなかった。高年齢者の学習にはいくつかの特性があり、キャリアアップのためという学習ニーズは考えにくいとの見解もあるが 、むしろキャリアを維持するための包括的な職業訓練(Off-JTとOJTの双方)の在り方を検討すべきとの示唆を導いた。
次に、日本の高齢者雇用の歴史的な展開について、これまでの研究成果をふまえて公表した。日本の高年齢者雇用の法政策は、定年制度を基軸に据えた年齢に基づく法政策が継続されてきた。年齢差別の禁止は極めて限定された場面(募集・採用)に限られており、さらには実効性も疑問視されている。しかるに、今後の大規模な人口構造の変化は、従来からの法政策に見直しを迫っており、就労意欲が高く、かつ、多様な高齢者像を反映した新たな施策が求められる。今後の展望としては、固定的・一律的な高齢者概念に囚われることなく、他の雇用政策との整合性を保ちつつ、非正規労働者への配慮を行うことを前提に、年齢差別禁止アプローチを検討するべきであるとの結論に達した。
最後に、コロラド州デンバーの現地調査では、州政府担当者の尽力により貴重な1903年立法資料の原典に接し、同法に関わる二次資料のリサーチを行うことができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (4件) (うちオープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 労働法上の権利行使に対する抑制と報復――不利益取扱いからハラスメント法理へ?2017

    • 著者名/発表者名
      柳澤武
    • 雑誌名

      法律時報

      巻: 89-1 ページ: 78-83

  • [雑誌論文] 有期労働契約における『年齢』を理由とする雇止めの合理性2016

    • 著者名/発表者名
      柳澤武
    • 雑誌名

      労働法律旬報

      巻: 1863 ページ: 22-31

  • [雑誌論文] 高年齢者雇用の法政策──歴史と展望2016

    • 著者名/発表者名
      柳澤武
    • 雑誌名

      日本労働研究雑誌

      巻: 674 ページ: 66-75

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 新しい雇用保険法――65歳以上への適用拡大2016

    • 著者名/発表者名
      柳澤武
    • 雑誌名

      季刊労働法

      巻: 254 ページ: 63-70

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公開日: 2018-01-16  

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