「均衡の取れた修復的正義モデル」に基づく少年刑事司法のあり方について、アメリカにおいて展開されている少年司法モデル論を手がかりに、少年刑事事件の基礎理論およびその史的展開、少年事件移送制度についての研究を行った。 その結果、少年刑事司法においては、少年の改善更生、地域社会の安全、手続の適正さといった諸理念の調和をとることが重要であることが確認された。少年の年齢、少年の心身状況、少年の処遇適合性、犯罪の性質、公共の安全といった諸要素を考慮して、事件移送制度等の少年司法制度が構想されることが望まれる。
|