研究課題/領域番号 |
26780071
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
青木 大也 大阪大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (80507799)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 知的財産法 / 意匠法 |
研究実績の概要 |
今年度は,本研究テーマについて,①わが国の意匠法における従前からの取扱いにかかる検討,②欧州共同体意匠制度や米国法における取扱いにかかる検討,③これらの整理及び意見交換やその公表準備の3点について研究を進めた。 まず,①については,従前のわが国の意匠法に係る調査・研究に加えて,特許庁やその他の資料室を利用し,旧法に関する専門書等や立法資料を積極的に調査し,意匠法における物品の意義や,意匠法における意匠の類似についての物品の意義に関する検討を行った(不正競争防止法における形態模倣規制の場合についても,若干の検討を行った)。また,部分意匠の場合における物品に関連する要件の意義についても改めて検討した。これについては公表のための準備を行った。 次に,②については,主に欧州共同体意匠制度について検討を行った。これは,来年度の早い段階で,欧州の実務家と意見交換をする機会が得られる可能性があったため,計画を変更し,米国法よりも欧州共同体意匠制度の検討を優先したものである。欧州共同体意匠制度については,外国文献の選定・購入を行い,その内容を整理した。その結果,ある意匠と他の意匠を比較する上で,わが国においては必ずしも意識されていないと思われる形で,意匠に係る物品が影響している可能性があることがわかってきた。残念ながら取りまとめには至らなかったものの,この点についても公表の準備を進めた。外国法については,米国法も含め,次年度以降も引き続き調査を行っていく。 最後に,③については,わが国法と対比した内容等について整理するとともに,各法領域における検討内容の対応関係について考察を行い,上述のようにその公表の準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
順序の変更はあったが,当初の予定通り,国内における文献調査を中心に,日米欧の意匠法に係る研究活動を行った。 なお,研究実績の公開が遅れているものの,一部のものについては準備が整っており,来年度の早い段階で公表される予定である。それ以降も順々に公表していく。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は,後回しにした米国法の検討も含め,今年度行った調査を継続するほか,わが国の意匠法において懸念されている事項が外国法においてどのように検討されているのか,インタビュー等の形で,実務家の視点等から検証する機会を設けたい。これらの成果は,論文等の形で公表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
出張日程を固めて効率化できたことや,外国書籍の購入を直接外国の書店を利用して行うことで安く購入できたことなどが原因と考えられる。
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次年度使用額の使用計画 |
来年度は引き続き研究に必要な外国書籍の購入を行うほか,情報収集に必要な旅費として使用する予定である。
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