本研究は、中央省庁の省あるいは政策担当部局をまたぐ多政策間調整の実態を、国内外の高齢者政策分野の事例研究を元に明らかにした。特に、地域(自治体および地域コミュニティ)において取り組まれた新奇的かつ既存の制度の間を補うような政策実験による学習効果、省庁による提案公募型の補助金、中央地方間の出向人事等、人的・財政的な相互作用により政策間調整が行われることを明らかにした。また本研究は、ネットワークガバナンス研究およびトランジション研究の2つのアプローチを参照しながら、こうした多層的な政策間調整の相互作用プロセスについて分析を行った。
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