研究課題/領域番号 |
26780085
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
辻 由希 東海大学, 政治経済学部, 准教授 (40610481)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 保守政党 / 女性議員 / 女性活動家 / 女性市長 / リクルートメント / キャリアパス |
研究実績の概要 |
平成28年度の主要な研究活動としては、自民党における女性活動家および女性議員の組織、活動、政策への影響力についての調査と分析を行った。第一に自民党機関誌(女性誌)の『りぶる』の内容分析を行った。創刊号と現在の出版物の内容を比べ、雑誌を媒介にして編集者と読者(おもに女性活動家)間のコミュニケーションが活性化し、女性活動家の集団的アイデンティティの形成に効果を与えたことが明らかになった。この分析結果は、日本政治学会2016年度研究大会において発表した。第二に、自民党の地方支部および党本部における女性部(女性局)へのインタビュー調査を行った。この結果、近年同組織が有権者動員だけではなく政策提案活動を行い始めていることが明らかになった。この調査は継続中であるが、その成果の一部は英語論文にまとめた。出版については準備中である。第三に自民党に所属したことのある全女性国会議員(1955年以降現在まで)の経歴調査を行った。これらの調査・分析の途中経過について国際学会において報告を行い、これをもとに英語での論文執筆を完了し、出版社に送付した。 さらに、女性の政治的組織化や政治代表のリクルートについて国際・国内比較を行うために、台湾の女性議員へのインタビューを実施(平成28年3月)したが、この成果を論文にまとめて所属機関の紀要にて公表した。加えて、日本の女性市長のキャリアパスと選出過程について事例研究を行った成果を英語論文にまとめ、学術誌に投稿したところ、査読を経て出版された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
個別の研究課題についての調査・分析は進んでいるが、成果発表について若干の遅れが生じている。遅れた理由はインタビュー調査に計画していた以上の時間がかかっているためである。そのため、研究期間を1年間延長した。
|
今後の研究の推進方策 |
平成29年度はこれまでの成果を積極的に発表する。国際学会での報告の後、その成果を著作にまとめて出版する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本年度は引き続き調査と分析を続け、その成果の一部を学会や論文等で報告した。しかしまだ成果のまとめは途上にあり、次年度にその成果の発表のために予算を使用することにした。
|
次年度使用額の使用計画 |
当該研究テーマに関する成果を海外の学会(政治とジェンダーに関するヨーロッパ学会)にて報告する。また、論文を日本語だけではなく英語で執筆し、ジャーナル等に投稿するので、英語校閲を発注するために使用する。
|