本研究では2000年代以降の労働政策や女性政策の政策過程を分析し、政党間競争および政党内競争が新しいアイディアの採用に影響を与えていること、また政官関係や統治機構改革により、従来の政策過程とは異なるアクター、アイディアの参入がみられることを明らかにした。 また自民党における女性の役割と影響力についても調査した。1980年代まではほとんど参議院に活躍の場が限られていた自民党所属の女性議員であったが、90年代以降は衆議院でも少しずつ増え、政界に入る前の前職も多様化している。また女性局の活動も、近年は動員だけでなく政策提言も行うようになり、自民党の家族政策に一定の影響を与えている。
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