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2014 年度 実施状況報告書

ラテンアメリカにおけるポスト移行期の正義比較分析

研究課題

研究課題/領域番号 26780092
研究機関独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所

研究代表者

馬場 香織  独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, その他部局等, 研究員 (10725477)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードラテンアメリカ / 移行期の正義 / 人権 / メキシコ / アルゼンチン / ウルグアイ
研究実績の概要

本研究は、ポスト移行期のラテンアメリカにおける、過去の人権侵害をめぐる正義追求力学の解明を目的としている。
1年度目の本年度は、移行期の正義に関する近年の重要な研究を整理し、理論枠組みを構築する上で有用であると思われる諸理論の検討を行った。また、メキシコおよびペルーへの実地調査を実施し、具体的に、次の2つの点について、両国での資料収集およびインタビューを実施した。第1は、民主化および内戦の終結からある程度の時間が経過した段階において、過去の人権侵害を記憶する試みがどのように行われているのかという点である。第2は、同じくこの段階において、正義追求を促す/阻む要因とは何か、という点である。
両国での比較調査の結果、上記2点について次のような成果を得ることができた。まず前者については、記憶の試みがより活発なペルーにおいては、NGOなどの市民団体のほかにも、自治体主導のイニシアティヴが多く見られた。ただし、展示については軍や保守派からの反発も強く、使用する語彙への配慮など慎重さも必要となっている。後者については、特にメキシコの人権活動家へのインタビューの中から、国際司法の重要性を確認できた。国内で正義追求の手段、進展が行き詰まったとき、国際司法を通じた外からの政府への圧力は事態を打開するきっかけとなりうる。今後他国の事例も参照しつつ、国際司法を用いた正義追求メカニズムについて、議論の精緻化を行っていきたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

先行研究レビューと理論的検討については、現段階までの成果を研究ノートにまとめることができた(発表は2年度目の予定)。また、現地調査でもおおむね予定通りの成果を得ることができた。

今後の研究の推進方策

今後も、基本的に当初の研究目的および方法に沿って、研究を進める。

次年度使用額が生じた理由

当該年度中に図書の購入の必要が生じたため、次年度経費の前倒しを行ったが、図書購入費に余剰が生じたため次年度使用額が発生した。

次年度使用額の使用計画

図書の購入費に使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 民主制下メキシコにおけるPRIの勝利―2012年大統領選再考と「メキシコのための協定」―2014

    • 著者名/発表者名
      馬場香織
    • 雑誌名

      ラテンアメリカ・レポート

      巻: 31(2) ページ: 17-29

    • 査読あり
  • [学会発表] メキシコにおけるサブナショナル権威主義の崩壊再考:ギブソンの民主化論の批判的検討を中心に2015

    • 著者名/発表者名
      馬場香織
    • 学会等名
      日本比較政治学会
    • 発表場所
      上智大学
    • 年月日
      2015-06-06

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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