本研究は、ラテンアメリカ諸国における「ポスト移行期の正義」のパフォーマンスの違いがなぜ生まれるのかを検討したものです。研究成果の一部として、最終年度にはアルゼンチン、メキシコ、ペルーにおける過去の人権侵害をめぐる取り組みに関する一般向けの論考を発表しました。事例の考察からは、「記憶」政策に積極的な政権の登場と人権団体の政策への関与の重要性が示唆される一方で、政策の継続性を担保するための課題も示されました。また、人権問題に深く関わるテーマとして、麻薬紛争および労働政策に関する研究を並行して行い、将来的に複数の政策領域における政策形成のあり方を検討するための重要な成果を得られたと考えています。
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