本研究では、沖縄返還実現後、沖縄の米軍基地をめぐって、日本政府、米国政府、沖縄の人々の相互関係がどのように展開したのかを検討した。これによって、沖縄になぜ米軍基地が集中し、その後固定化されたのか、その過程を明らかにした。その結果、次の点が明らかになった。第一に、米国政府は、沖縄返還直後、大幅な沖縄米軍基地の縮小を真剣に検討していた。しかし第二に、日本政府は、沖縄の米軍を安全保障上重視し、その維持のために様々な協力を行った。第三に、沖縄でも返還直後は米軍基地への縮小要求が強かったが、1970年代後半には、基地問題よりも経済問題が重視され、日米安保や基地を受け入れる保守県政が誕生したのである。
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