本研究の主目的は、労働者の年齢を明示的に扱うライフサイクル・労働サーチ・マッチング・モデルを主に用い、人々のライフサイクルにおける雇用・失業に関わる問題を分析することである。本研究の理論分析においては、企業と労働者が長期雇用契約を結ぶ場合の最適な賃金の経路や、労働サーチ・マッチング・モデルを応用してモデル化した金融市場モデルにおける最適な金融政策につき、新たな理論的知見を得ることができた。データ分析においては、日本の労働力調査の個々の労働者レベルのデータを分析することで、集計データからは判明しにくい性別・年齢毎の労働者の就業行動につき理解を深めることができた。
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