研究課題
第三年度の研究活動の重点は新興産業の事例研究と総括を行うことであった。第一に、現地調査の面で最も重点を置いたのは、中国の無人航空機(ドローン)産業の研究である。民間用ドローンは2013年以降に世界的に普及したが、2016年時点で世界シェア7割を握るパイオニア企業は、中国深セン市に本拠を置く、DJI社である。今年度にはDJI社のみならず、中国のドローン企業でのインタビューや関連業界団体へのインタビューも実施した。これらの結果については、単著で『中国ドローン産業報告2017 動き出した「新興国からの新興産業」』(東京大学現代中国研究拠点)を執筆刊行し、またインターネット上に公開し、オープンアクセスの形での成果の普及を図った。第二に、研究全体の総括的にあたっては、中央政府、地方政府、そして新興産業での取り組みを整理し、国際コンファレンスにて報告をした。中国経済の変化の方向性として、第一に高度化を指摘し、地方政府と中央政府のイノベーション政策の効果を分析した結果、地方政府のイノベーション政策が特に有効であることが判明した(主に第一年度の成果)。加えて、中国企業の対外投資の拡張を明確であり、これについては第二年度にいわゆる「一帯一路」政策の動向についてもレポートを執筆した。上記の第三年度の成果も含めると、新興産業がとくに地方政府のサポートのもと、成長が促進されている可能性が示唆されている。こうした総論的評価を国際コンファレンスにて報告した。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件)
Millenial Asia
巻: Vol. 8, Issue 1 ページ: 78-107
10.1177/0976399616686866