本研究は、近年急速に高度化しつつ中国産業の実態を、個別の産業レベル掘り下げ、政府の役割に着目して検討を加えた。主な結果は次のとおりである。第一に、企業レベルデータを用いた分析の結果、中国政府が実施しているイノベーション政策が総じてプラスの効果があるものの、個別の政策によってその効果にはばらつきがあることが判明した。この結果は、国際学術雑誌に発表した。第二に、個別の新興産業の事例研究として、無人航空機(ドローン)産業をとりあげ、世界シェア7割を握る企業が生まれる背景を検討した。そして中国ドローン産業に関する単著としては少なくとも国内では初となる報告書を刊行した。
|