最終年度の成果として以下のことが達成された。(1)協力的タスクによるチームワークの形成と関係的契約については、改訂を経た後RAND Journal of Economicsに掲載されることが決定した。(2)業績指標の形態と関係的契約の影響については、公式契約の影響などの追加的な分析を行った。また、2つの国際学会と1つの国内研究会で研究報告を行い、現在そこでのフィードバックを考察しつつ、最終的な原稿の形にまとめており、査読付き雑誌に投稿するための最終的な準備段階に入っている。(3)組織でのタスクの配分と関係的契約の影響については、2016年7月と9月にそれぞれ国際学会で研究報告を行った。研究成果は論文原稿の形になっており、現在論文を査読付き雑誌に投稿中である。(4)逐次的なエージェンシーモデルでの監視の影響については、論文を査読付き雑誌に投稿後、改訂要求を受け再投稿中である。 研究期間全体を通じて、4つの関係的契約と組織設計に関する研究プロジェクトを進行させることができ、結果の概要は以下の通りである。(1)組織内の協力度合いには分業的組織とチームワークの組織との間に大きなギャップが存在することの提示。(2)各個人の業績指標による評価よりも共通の業績指標による評価の方が望ましい可能性の提示。(3)業務を複数の労働者に分けるか1人に集中させるかという業務設計の最適なパターンの導出。(4)組織内の同僚の行動に関する(不)透明性の便益と費用の特徴付け。これらの研究プロジェクトは国際学会を含む計26箇所で報告された。また、研究成果として、公刊論文が1本、現在査読雑誌投稿中の論文が2本、近日中に査読雑誌に投稿予定の論文草稿が1本、の計4本の論文を完成させた。
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