福島第一原発から半径80km圏内を対象に、平成15年・20年・25年の『住宅・土地統計調査』の家賃データを活用してヘドニック家賃関数を推定し、事故後の空間線量率の上昇と家賃変動との関係を検証した。住宅の賃貸は短期的な取引の側面が強く、仮に借家人がそこに長期的に住むことの健康影響や風評を懸念するのであれば、比較的容易に他の物件に移転できるためか、線量上昇と家賃変動との間に有意な関係は認められなかった。一方、標高の高い物件の家賃は上昇しており、東日本大震災後の高台物件の需要の高まりを示す結果となった。
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