研究課題
計画期間最終年度となる今年度は,進めている2つのプロジェクトについて投稿準備の段階に入っており,これらの研究はいずれも2017年度内にワーキングペーパーとして刊行される見通しである.第1のプロジェクトでは,参入規制緩和が生産性成長率に与える影響を,企業規模分布を含む内生的成長モデルの構造推定とcounterfactual simulationによって調べている.今年度は均衡のuniquenessに関する議論を詰めるとともに,この研究で用いたフレームワークを提示したWisconsin大学のLentz准教授と研究内容に関するディスカッションの機会に恵まれたため,内容に関して幾つかの有益なコメントを頂くことができた.これらのコメントを反映させた改訂稿をワーキングペーパーとして刊行する予定である.第2のプロジェクトでは,Diamond-Mortensen-Pissarides流のサーチマッチング摩擦と内生的な資産不平等を取り入れた不完備市場動学一般均衡モデルを用いて,長期フィリップス曲線の形状を調べている.今年度はこの論文を Econometric Society Asian Meeting 2016 および European Economic Association 年次大会 (EEA-ESEM 2016) にて報告した.現在,これらの学会で得られたコメントを反映させた改訂稿をワーキングペーパーとして刊行する準備を進めている.また前年度から新たに開始したプロジェクトである,規制緩和と国際貿易がイノベーションに与える影響に関しても進展させることができた.本年度はこのモデルに企業数に応じてマークアップが低下する効果を取り入れたモデルのプログラム開発を行い,貿易利益に関する暫定的な結果を得ることができた.
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すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
Public Policy Review (Ministry of Finance, Japan)
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
フィナンシャル・レビュー(財務省)
巻: 128 ページ: 41-54
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