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2014 年度 実施状況報告書

不完全な金融市場の下での最適金融政策の導出

研究課題

研究課題/領域番号 26780153
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

寺西 勇生  慶應義塾大学, 商学部, 准教授 (50710456)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード最適金融政策 / 不完な金融市場 / マクロプルーデンス政策
研究実績の概要

研究成果として「Optimal Macroprudential Policy」、「Optimal Macroprudential Policy for Korean Economy」を執筆した。「Optimal Macroprudential Policy」については、オーストラリア国立大学からワーキング・ペーパーとして公表した。また、東京大学、GRIPS、一橋大学のセミナーにて発表を行った。加えて、Summer Workshop on Economic Theory 2013(小樽商科大学)、10th Modern Monetary Economics Summer Institute(神戸大学)、BOC-BOJ Workshop(日本銀行)、といったセミナー、コンファランスで発表を行った。「Optimal Macroprudential Policy for Korean Economy」については、ソウル大学主催のコンファランスで発表を行った。これらの論文の中で行っている研究内容、また明らかにされた成果は以下の通り。
(1)現在金融政策分析を行う場合に主流となっているニューケインジアンの一般均衡モデルに、不完全な金融市場を取り込むことで理論モデルを構築した。この際には、労働市場で進展したサーチ・マッチングによる不完全性を銀行行動に応用することや、既存の金融加速モデルを応用した。
(2)構築されたモデルの下で、2次近似された社会厚生を解析的に導出した。これにより、最適な金融政策の形を定性的に明らかにした。特に、金融市場が不完全な下では、貸出量や貸出金利といった金融市場に由来する変数が2次近似された社会厚生に含まれることが明らかになった。つまり、金融政策運営にあたっては、中央銀行は金融市場の動向を踏まえる必要があることを示している。
(3)また、こうした理論モデル、2次近似された社会厚生の下で、最適金融政策を導出した。最適金融政策には、実体経済の動きと金融市場の動きが逆循環的になるように政策を行うという性質があることを明らかにした。この結論は、金融危機に対する望ましい金融政策のフレームワークを明らかにするものである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

26年度は、(1)のモデルの構築を中心に研究を行う、(2)研究成果については、適宜、大学でのセミナー、学会等発表を行い、その後一流の学術雑誌に投稿する、を予定していた。(1)については、理論的なモデルの構築は概ね完了している、また、27年度に行う予定であった最適金融政策の分析を一部行っていることから順調に進展していると考えられる。また、(2)についても、完成した「Optimal Macroprudential Policy」、「Optimal Macroprudential Policy for Korean Economy」を様々な機会に発表できていること、そのれぞれ一流の学術雑誌に投稿を終えていることから、順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

今後も、これまで同様、鋭意研究を進捗させる。特に、27年度の課題である、最適金融政策の導出についての分析を深めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

外国出張の経費が予定を下回ったため。

次年度使用額の使用計画

今後、論文のリバイスに伴い英語校閲への支出が増えると考えられるので、その費用に充当する予定。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Optimal Macroprudential Policy for Korean Economy2015

    • 著者名/発表者名
      Junichi Fujimoto, Ko Munakata, and Yuki Teranishi
    • 雑誌名

      Seoul Journal of Economics

      巻: 不明 ページ: 印刷中

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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