研究課題/領域番号 |
26780159
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研究機関 | 金沢星稜大学 |
研究代表者 |
花田 真一 金沢星稜大学, 経済学部, 講師 (90636458)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 地方自治体の政策の評価 / 環境政策の評価 / 需要関数の推定 / 太陽光発電 / 政策の費用便益評価 |
研究実績の概要 |
初年度の2014年度は、先行研究のサーベイ、現在入手済みのデータの整理及び各地方自治体単独の太陽光発電に関する政策の評価を行った。 地方自治体単独の政策の評価については、分析の結果①国の補助金と比較して地方自治体の補助金に対する需要の反応が高かったこと②その差は、時間の経過とともに減衰していったと考えられること、の2点が得られた。 1点目については、太陽光発電の需要関数の推定を行い、地方自治体の補助金に対する需要の弾力性、および国の補助金に対する需要の弾力性を比較した。推定モデルにより変動があるが、分析した期間を平均すると最大で3倍程度の差があることが示された。つまり、需要を拡大する効果は国の補助金3万円と地方自治体の補助金1万円が同等の効果を持っていたことが示唆されている。また、推定モデルにより差があるが、全需要のうち約0.9%~5.5%程度が地方自治体の補助金により押し上げられた部分であると推定された。 2つ目の点に関しては、補助金に対する需要の弾力性の経年変化の推定を行い比較したところ、分析期間の初期の1997年には通常の価格弾力性と比べて大きな差があるものの、その差は減衰していき、2002年以降はほとんど差が見られないという結果になった。つまり、初期の段階では市町村の補助金により、通常の値引きよりも大きな需要の増加がみられたが、その効果は次第に小さくなり、2002年以降は通常の値引きと大差がないということを示唆している。 この原因については様々な要素が考えられる。例えば、太陽光発電という設備の知名度が低かった初期においては市町村の政策による周知の効果があったが、存在が浸透するにつれその効果がなくなったのかもしれない。あるいは、導入初期は補助政策を行った自治体が少なく、性質の差が大きく出ている可能性もある。こうした点については、今後さらに研究を行っていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
個別政策の評価を開始し、すでに英語論文を執筆して投稿の準備に入っているという点では順調に推移している。しかし、政策の相互評価を行うために各自治体に実施予定であったアンケートについては昨年度中に実施することができず、その部分で遅れている。入手可能なオープンデータからでも一定の相互評価の分析は可能であり致命的ではないが、できればアンケートで確認を行いたい。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、現在執筆が完了している個別政策の論文の海外学術誌への投稿を行うとともに、自治体アンケートの実施、政策間の相互評価の分析も進めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
自治体アンケートを実施する予定であったが、研究環境の整備や送付タイミングの問題で年度内に実施することができなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
アンケート実施の準備は順調に進んでおり、2015年度中に実施できる。
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