国際貿易理論分析の多くが、輸送費用がない、あるいは、あったとしても、輸出先に輸送する間に輸送する財の一部が消失するという形の費用、いわゆる、icebergコストを前提としている。本研究では、輸送サービス産業というより現実的な存在を考慮して、(i) これまでのicebergコストモデルが現実的妥当性を持ちうるための条件は何か、(ii) 各国が輸出する財の種類はどのように決定されるのか、特に、各財の生産技術と輸送の技術とがその決定にどのように影響するのか、そして、(iii) 輸出する財はどの国の輸送サービスを利用して運ばれるのか、すなわち、どのような輸送パターンが実現するのか、の3つを検討した。
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