研究課題/領域番号 |
26780161
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
加藤 雅俊 関西学院大学, 経済学部, 准教授 (80507707)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 競争 / イノベーション / 参入・退出 |
研究実績の概要 |
2015年度は、研究課題についていくつかの論文を査読付き雑誌に掲載した(下記の論文リスト参照)。まず、Kato and Honjo (2015)では、新規企業の生存・退出の要因について、倒産、自主廃業、退出という退出形態を考慮したモデルを用いて分析を行った。特に、起業家の人的資本に着目し、それが生存・退出においてどのような役割を果たすかについて明らかにした。また、ハイテク・ローテクという産業別のサブサンプルに分割して推定を行い、産業特性によって人的資本の果たす役割が異なることが明らかになった。
Ito and Kato (2016)では、新規参入が既存企業を退出に追い込むかどうかについて実証的に分析した。この論文では、政府の個票データを用いて、新規参入企業と既存企業間の異質性に着目し、参入規模が異なると効果が違うのではないか、また、既存企業は規模の違いによって受ける影響が異なるのではないか、というリサーチクエスチョンについて検証を行った。結果は、新規参入の効果は、新規参入企業および既存企業の規模に依存することがわかった。また、このような効果は、各セクターの特性(特に財のtradability)に依存することを明らかにした。
この他にも、新規参入からの脅威にされされている産業とそうでない産業の間で、マーケットリーダーの行動にどのような違いがあるのかについて研究を進めている。最終年度中に、論文を完成させ、学会発表を行うなどによって研究成果を公表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、すでにいくつかの論文を成果として発表しているが、当初予定していた研究トピックについて、いくつかデータの入手が困難であることがわかり、一部の研究については停滞している。 代替的なデータを入手しているので、最終年度中には成果として発表できると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
上記で言及したように、おおむね当初の予定とおり順調に研究が進展しているが、いくつかの予期せぬ問題も発生している。ただ、解決策が見つかっており、最終年度中に論文を完成し、その後学会発表を行い、最終的に1~2本の論文をディスカッションペーパーとして公表後、査読付き雑誌に投稿する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初に計画した使用額(英文校正費,旅費)について正確に予測できなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
学会出張費の一部として使用する。
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