本研究では、1990年から2000年代の日本の製造業を対象に、新たに構築したパネルデータを用いて、マーケットリーダーの市場支配力がイノベーションとそれに伴う競争力に与える影響について実証的に明らかにした。まず、日本の各産業におけるプライスコストマージン率のデータをもとに、米国の同産業のそれに対する相対的な値を計算し、各産業における国際競争力を示す指標である世界シェアに対してどのような効果をもつかを分析した。また、上位企業間のシェアの変動の指数を計算し、それが産業レベルのイノベーション(研究開発集約度の変化)にどのような影響を与えるのかを分析した。
|