本研究では、海洋生態系保全政策に対する人々の支払意志額(WTP)を、ベスト・ワースト・スケーリング(BWS)により推計した。その結果、人々は、漁獲量を増やすことやレクリエーションが楽しめる場所を増やすこと以上に、絶滅のおそれがある生きものを救うことに高い価値を見出していることが明らかとなった。また、EMアルゴリズムを用いた潜在クラスモデルによる推計の結果、レクリエーションが楽しめる場所を増やすことに対する評価は、個人間で大きく異なることが明らかとなった。さらに、選択型実験や仮想ランキングとの比較より、BWSは他の質問形式と同様にWTP評価手法として有効であることが示された。
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