研究実績の概要 |
第1テーマ「孤立のメカニズムの解明」では、孤立者が好む労働環境と生産性の検証のために、申請者が職務とする生産工学で主議題となる並列vs.直列の2つの生産システムを応用した実験を行った。並列生産は各時が1人で生産を行い工場の売り上げが決まるが、直列生産は分業生産である。実験では事故による失業が起きる。自分と相手の努力量に比例して、工場の事故率が決まる。直列生産ならば、自分と相手の努力量に依る事故率の積が工場の事故率となり、並列生産ならば、事故率は余剰の積となる。被験者の報酬は、無事故ならば、初期保有-努力量+成功報酬となるが、事故時は、成功報酬が無く、失業として実験から除外されるDeath Game(Abbink, 2002)方式とする。被験者はどちらの生産システムに参加するかを表明する。 この設定の下、相手の決定方法(ランダムvs.自主的)×相手との報酬配分(均等配分vs.交渉)=4種類の実験を行った。 次に、アンケートでは、3年間の追跡調査の1年目として、孤立度が高いと予想される失業者、低所得労働者、派遣労働者、生活保護受給者、母子家庭、ひきこもり・不登校経験者をサンプルとしてたプレテストを行った。
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