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2015 年度 実施状況報告書

稼動年齢層の社会的孤立のメカニズムの解明と孤立抑止・救済のための社会保障制度設計

研究課題

研究課題/領域番号 26780169
研究機関東京大学

研究代表者

赤井 研樹  東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20583214)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード孤立
研究実績の概要

27年度は、第1テーマの実験を第3テーマの社会保障制度の実験に適応する素地として、初年度の実験を繰り返しの実験のプロトタイプを改定した。その実験フォーマットで繰り返し実験の予測値を得るために、リスク態度の被験者実験の結果をもとに、それをもつエージェントをプログラムしたマルチエージェントシミュレーションを行い、孤立の率と生産性の収束先を強化学習から探った。トリートメントとして、孤立の率が最大と最小となる2つの制御因子×生産システムの選択方法(自由vs.表明)=4種類の実験として、日々の惰性と合理性のトレードオフを検証する実験方式(Selten et al., 2007)に従い、200回繰り返した。そして、第1テーマの孤立の深化と孤立からの社会復帰率および第2テーマの他人との協働作業の回避への支払意志額を時系列的に検証した。
第2テーマのアンケートに関しては、初年度の結果を分析した。支払い意志額の推計を専門とする青木恵子(新潟大特任准教授)と協力して、チョイスセットはレイテンドクラスモデルを用いて、孤立や孤独の度合いによるグループ分けを行い、各グループにおける社会的包摂への支払意志額を推計することで、孤立抑止のための社会投資額を算出した。
第3テーマについては実験プログラムの作成とプレ実験を目標として現在改定中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

孤立とリスク態度に関するアンケートの基礎調査を終え、実験のプロトタイプをデザイン中で当初予定通りに進行しているため。

今後の研究の推進方策

28年度は、まず、第1テーマの実験から導出された孤立への選好および第2テーマのアンケート結果を基に、ベーシックインカム、セービング・ゲートウェイ、これらのポリシーミックスを基盤とした理論的な制度設計を行う。次に、期待度の高い社会保障制度について実験を行う。実験では、制度の細部を詰めるのではなく、現行の社会保障制度とアセットベース福祉型の社会保障制度の違いとして、一時的金銭保証と長期的な貯蓄もしくは政府給付に基づく金銭保証のどちらが実験室の中での疑似的孤立に影響を与えるのかを分析する。

次年度使用額が生じた理由

実験デザインのマルチエージェントシミュレーションを実施して仮説を立てているところであり、実際の実験のための費用として翌年度に繰り越すため

次年度使用額の使用計画

被験者200名ほどを実験に雇用する。また、アンケートを1000サンプルほど実施することによって定性的な傾向を担保する

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Achievement of a good balance between the enhancement of risk reduction and production ? An economic experiment approach2015

    • 著者名/発表者名
      Makino, R., Akai, K., & Takeshita, J.
    • 学会等名
      Society For Risk Analysis 2015 Annual Meeting
    • 発表場所
      USA
    • 年月日
      2015-12-07
    • 国際学会

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公開日: 2017-01-06  

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