本研究では内在的な長期介護(LTC)支出を用いたライフサイクルモデルを構築した。予備的貯蓄とLTCに関する意志決定に重要な家族構成を捉えるため、このモデルには既婚、未婚家庭の両方を含めた。既婚者はLTCを必要とする配偶者のリスクに直面し、共同資産を早く使い果たす。しかし、LTCを必要とする人々は、インフォーマルケアを与える健康な配偶者の存在によって恩恵を受けられるため、LTCのコストが低減する。HRS及びMEPSというデータを基に、較正モデルを使用し家族の動態の重要性を推定するとともに、最低限のLTCコストを支払う普遍的な公共システムの導入などのLTC政策改革の影響を定量化した。
|