本研究では、過去20年に渡って米国で推進されてきた教育制度改革の効果を検証した。具体的には、入学する公立校を生徒が直接選ぶことができるようにした学校選択制度、そして優秀な成績を収めた学校と教員に対してボーナスを支給する成果報酬制度、といった新たな制度を導入したことで、生徒の学力にどのような影響が生じたのかを検証した。学校選択においては、従来考えられていた学校間の競争効果だけではなく、各学校の生徒構成が変化することで生じる同級生効果の影響が大きいことが示された。また成果報酬では、基準を満たさなかった学校が翌年には生徒の成績を向上させる傾向にあることが示された。
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