研究実績の概要 |
補助事業期間の延長を頂いたこの1年間で、下記3点の研究成果を得た。 本研究は「A:銀行の自己資本(資本構成)に関する先行研究のサーベイ」「B:資本注入政策が銀行の効率性・健全性に与えた影響を分析する実証研究」「C:Level Playing Fieldと銀行の効率性・健全性の関係について分析する実証研究」それぞれに関する論文の完成を目標としているが、本年度の研究成果はいずれも「B」に該当する研究成果である。 1点目は〝Banks restructuring sonata: How capital injection triggered labor force rejuvenation in Japanese banks"(共著)の海外学術誌(The BE Journal of Economic Analysis & Policy, 17(2).)への掲載(平成29年5月)であり、2点目は「邦銀による超過準備預金保有はなぜ起こったのか?-邦銀財務パネルデータを用いた分析-」が『金融市場における規制・制度の役割 (法政大学比較経済研究所研究シリーズ32)』(日本評論社)の第5章に収録され出版されたこと(平成30年3月)である。邦銀に対する資本注入政策が、邦銀行動(効率化[人員削減]や超過準備預金保有)に与えた影響を実証的に示した。 3点目は「B」に関する新たな研究〝Old Boy Network, Capital Injection and Banks' Returns: Evidence from Japanese Banks″に取り組み、国内外の学会で報告した点である。資本注入政策、銀行幹部の個人ネットワーク(学閥など)、銀行業績の関係を分析した研究であり、まだ出版には至っていないが、研究に着手、進展させることができた。
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