研究課題
会社の所有者と実際に経営する経営者が分離している、いわゆる所有と経営の分離が進んでいる昨今、所有者と経営者の利害対立に多くの注目が集まっている。本年度は、これまでの先行研究の調査と収集されたデータを活用した分析を行ってきた。特に、経営者のインセンティブに深くかかわる可能性がある機会主義的な利益操作(Opportunistic Earnings Management)の議論にも研究の対象を広げることができた。経営者が、会社の経営状況をよく見せるため、利益操作を行う可能性が指摘されている。所有者である株主が望ましくないと思われる過度な利益操作を行った場合、企業統治の面から利益操作の抑制を行うことができるかどうかは、大きな課題となる。利益操作を行ったかどうかは恣意的な判断を生む可能性もあるため、客観的な基準が必要となる。わが国における株主の利益を守るゲートキーパーの役割を示すことで、経営者と株主の利害対立を緩和する可能性を模索することができたといえる。本研究では、分析の客観性を担保するため、欧米の先行研究を調査し、先行研究が提示したモデルに基づいた分析を行った。研究成果を報告するため、国際会議に参加し、研究内容を報告した。その過程で、数多くの有益なコメントを頂くことができた。また、新たな共同研究の可能性を模索する機会を得ることができた。特に、外国籍の研究者との話し合いを持つことで、今後の国際共同研究に向けた環境を整ってきたと感じている。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件)
Advances in Quantitative Analysis of Finance and Accounting,
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