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2016 年度 実績報告書

経営学・言語学を統合した分析に基づく多国籍企業人材の情報授受モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 26780203
研究機関大阪大学

研究代表者

戎谷 梓  大阪大学, 経済学研究科, 助教 (90709867)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードブリッジ人材 / 異文化間コミュニケーション / 国際チーム管理
研究実績の概要

本研究では、多国籍人材の雇用するグローバル企業に対し、チーム内の多言語使用、異文化マネジメントに関する提言を目指して推進した。研究調査では、日本国内外の複数の多国籍企業を対象として、経営学と言語学を統合した学際的なアプローチによる調査を行い、多国籍企業内で実践される情報授受メカニズムの解明およびモデル構築に挑戦した。具体的には、経営学におけるチームマネジメントやチーム・メンタルモデルの理論と、認知言語学の概念を合わせて調査の枠組みを構築し、多国籍出身者で構成されるチーム内で行われるコミュニケーションについての質的調査を実施した。
調査結果の分析・考察にもとづき、多国籍人材間で効果的に相互コミュニケーションを行う上で、多国籍間または多文化間の橋渡しの役割を果たす「ブリッジ人材」の重要性が明らかになった。ブリッジ人材は、複数の文化や価値観を持つチームメンバーの間で多言語能力を用いて相互理解を促し、チーム内におけるアイデアの最適化を図り、それを再び各メンバーに還元する働きを担っている。これは従来の関連研究で指摘されてきた翻訳者や通訳者の役割の範囲を超えるものであり、ブリッジ人材にはより一層のチーム運営への関わりが求められることを示唆している。
3年間にわたる研究活動にもとづき、グローバル企業における多国籍人材のパフォーマンスを高めるためには、チームにおけるブリッジ人材の役割を果たす者の特定また育成が重要であることが分かった。また、多国籍出身者で構成されるチームでは、ブリッジ人材によるコミュニケーションのサポートを通して各メンバーがチームの目標を達成していくことが求められる点を指摘した。これらの考察にもとづいて、研究の最終年度には、ブリッジ人材を介したコミュニケーションプロセスのメカニズムを詳述し、モデル化することができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017 2016

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Interplay of Team Mental Models, Project Process Models, and Language2017

    • 著者名/発表者名
      Tomoki Sekiguchi and Azusa Ebisuya
    • 学会等名
      RIEBセミナー
    • 発表場所
      神戸大学(兵庫県)
    • 年月日
      2017-03-07
    • 招待講演
  • [学会発表] Team Mental Model Development for Global Innovation2016

    • 著者名/発表者名
      Azusa Ebisuya and Gayan Prasad Hettiarachchi
    • 学会等名
      International Business, Economic Geography and Innovation
    • 発表場所
      Temple University (US)
    • 年月日
      2016-10-30
    • 国際学会
  • [図書] 国際人的資源管理2016

    • 著者名/発表者名
      関口倫紀, 竹内規彦, 井口知栄(編著)
    • 総ページ数
      264(pp.137-151, pp.201-215)
    • 出版者
      中央経済社

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公開日: 2018-01-16  

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