研究課題/領域番号 |
26780207
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
閔 廷媛 九州大学, 経済学研究科(研究院), 講師 (30632872)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 経営学 / 企業間ネットワーク / アライアンス / 航空事故 |
研究実績の概要 |
若手研究B基金(平成26年~平成28年)により、「組織代理学習の経路モデルとその有効性:グローバル航空事故を用いた実証分析」の研究プロジェクトを始めることができ、以下の実証論文の作成とジャーナル掲載、データベース構築、海外学会参加及び発表を行うことができた。 第1に、実証論文の「Paradox of Choice in Alliance Formation: A Network Embeddedness Approach」を作成し、海外ジャーナルに掲載した。この論文は、本研究プロジェクトにおいて一つの組織学習経路として考えている、航空産業におけるアライアンスの形成メカニズムを明らかにしたものである。本基金からの支援を受け、論文の作成に必要であったデータのアップデートと英文校閲などを行うことが可能であった。本論文の分析結果は、次のステップとして予定している、アライアンスの形成が事故の代理学習に与える影響分析に、重要なインプリケーションを提供すると考えている。 第2に、グローバル航空産業に関連したデータベースを構築することができた(約70%完成)。現時点までは、過去、約30年間の世界航空事故に関するデータベースを構築することができた。このデータベースの構築は、航空産業における事故の代理学習だけではなく、今後の安全・安心など、社会的な意義が高い研究などにも、貴重な資料として使うことができると考えている。 第3に、本基金からの支援を受けることにより、International Conference on Advances in Business & Managementという海外学会で、組織学習に関する研究報告を行い、参加者の方から今後の研究に必要となる貴重なアドバイスを得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
先行研究に関するレビューはほぼ問題なく行われた。 先行研究の結果に基づいた仮説構築も行うことができた。 ただ、昨年度までに終了する予定であったデータベースの構築が、まだ完全には構築されておらず(70%ほど完成)、今年の前期までに続く予定である。その原因として、1)アルバイト学生の採用がうまくいかず、データコーディングの作業が遅れてしまった点と、2)思ったより購入していたデータベースに欠損値が多すぎて、データ収集に時間がかかっている点があげられる。
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今後の研究の推進方策 |
今年までの推進計画として、まず、今年の前半までにデータベース構築を完了する予定である。また、今年の夏に予定されている海外学会と研究会参加を通じて、現在の仮説における改善を行う。今年の後半からは、仮説検証のための分析を行えるように準備していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
アルバイト学生の雇用が遅くなり、購入したデータベースにおける欠損値が多すぎて、データベースの構築を終えることができなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
前期までにデータベース構築を終えるための金額として使う予定である。
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