本研究は、新規株式公開(以下、IPO)が企業経営の実態面に与える影響を、企業の財務データを用いた定量的分析を通じて、実証的に明らかにするものである。 具体的には、2001年1月から2015年12月までに新興・成長企業向け市場(JASDAQ市場、東証マザーズ、大証ヘラクレスなど)でIPOを行い、かつ金融業に該当しない企業の定量データで構築されたデータベースを用いて、以下の 4つのサブテーマ、①ベンチャー・キャピタル のプレゼンス、②業績パフォーマンスと株式所有構造の関係、③IPO が企業の安全性、運転資本管理に与える影響、④IPO の動機に関する検証を行った。
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