日本の長時間労働問題の要因として、1990年代以降の人事労務管理の変化が挙げられる。1990年代以降、かつてより労働生産性が低いと指摘されてきた正規ホワイトカラー労働者の働き方をより柔軟なものに変えていこうとする動きがある。近年、ワークライフバランス等の働きやすい職場づくりへ向けた取り組みがみられるようになるが、そうした取り組みにおいても人事労務管理を柔軟なものに変えていこうという動きがある。本研究は働きやすい職場づくりへ向けた人事労務管理に必要なものは何かという問題意識のもと、日本よりも労働時間が短く、労働生産性が高いと言われているオーストラリアに焦点を当て、現地実態調査を行った。
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