本研究は、企業の投資期間の時間的志向の差異が、企業間提携相手の選択と提携のパフォーマンスに与える影響について分析することである。1990年から2013年度までの日本の上場一般事業会社によるジョイント・ベンチャーを分析対象とし、統計的分析を行った。本研究の結果は、第一に、ジョイント・ベンチャーの親会社間の投資期間の時間的志向の絶対的な差異が大きければ大きいほど、有意に両社のジョイント・ベンチャーの売上高増減率が低下し、生存確率が低下していた。第二に、親会社間の投資期間の時間的志向の平均値が高い、つまりより長期的な投資を好むほど、その投資期間の時間的志向の差異の影響が有意にモデレートされていた。
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