研究実績の概要 |
本研究は在日コリアン起業家を研究対象とし「困難な状況下で成功した在日コリアン起業家には、他の起業家と異なる特性があったのか」というリサーチ・クエスチョンを定量、定性調査で探るものである。世界的な起業家研究GEMは2013年初のレポートで「移民起業家が経済成長を支える」との発見を発表した。日本における最大のエスニックグループは在日コリアンだ。歴史的経緯から起業家が多く、また成功した起業家が多いとも言われるが経営学的研究は未だ少ない。そこで本研究では、在日韓商の起業家精神や起業プロセスは日本人起業家のそれと何か差があるのか、在日韓商の起業が成功に至った要因は何かについて定性、定量の両面より探索するものである。 2015年度の研究の主な実施内容は以下の通りである。 まず前年度に作成した文献調査をふまえて偏りのないサンプリングを実施するためのフレームワークに基づいてインタビューを開始し、随時フレームワークを訂正したサンプリングルールを策定した。 定量調査で用いるEntrepreneurial OrientationのMeasurementを再検討。本研究の当初の計画では、組織のEOを測定するThe Miller/Covin and Slevin (1989) EO Scaleを個人向けに改訂して使用することとしていたが、Langkamp Bolton, D., & Lane, M. D. (2012). Individual entrepreneurial orientation が既に信頼度が高いことから採用、バックトランスレーション方式で日本語訳を済ませ定量調査の質問紙を作成した。
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