本研究の目的は、「1)多国籍企業内の拠点間競争が海外子会社のどのパフォーマンス指標を向上させるか」と「2)多国籍企業内の拠点間競争はどの条件下で海外子会社のパフォーマンスを向上させるか」を明らかにすることである。そのためにまず、既存研究レビューや企業訪問を通じて仮説を構築した。次に、在東南アジアの日本企業の海外製造子会社1715社に対して質問票調査を行った。質問票調査に基づいた定量分析の結果、「拠点間競争は海外子会社の自律性を抑制する可能性があること」と、「拠点間競争は買収した海外子会社において、市場・財務パフォーマンスを向上させる可能性があること」が明らかになった。
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