本研究は、効率性概念に対する理論的深耕を通じて、効率性を追求する企業間で形成される戦略的な提携関係の動態的なプロセスを探求することにあった。 理論的研究では、経済学で取られてきた市場と効率性の関係を批判的に検討し、実際に存在する市場(いちば)における効率性の計算が道具やルールを利用して行われていることに注目した。経験的研究では、金属切削加工業を営む、株式会社山本金属製作所が、様々な企業との取引における効率性を計算するための装置として、どのような道具やルールをデザインし、そうした装置を通じて変遷した企業間取引を分析した。これらの成果は、学会での口頭発表や論文として発信した。
|