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2015 年度 実施状況報告書

将来効用を考慮した消費量決定モデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 26780235
研究機関法政大学

研究代表者

長谷川 翔平  法政大学, 経営学部, 講師 (30712921)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードマーケティング・リサーチ / 消費者行動
研究実績の概要

平成27年度は,消費者の選好と飽きをテーマとした2つの研究を行った。第1の研究は,前年度に引き続き,飽きの形成される構造を過去の購買履歴データからモデル化することを試みた。提案モデルでは,消費者は予算制約の下で効用が最大となる製品(ブランド)の組み合わせを購買すると仮定し,各ブランドに対する選好度と飽きをパラメータとして推定した。また,選好度と飽きが購買・消費経験により変化する構造をモデルに取り込んだ。具体的には,飽きがある一定値を超えた場合にのみ選好が変化する構造をもつ閾値モデルを提案した。提案モデルを実験データとPOSデータに適用し,モデル比較を行った結果,先行研究に対して,提案モデルの優位性を示すことができている。
第2の研究は,家計のテレビ視聴行動を分析したものである。先行研究の多くで,テレビ視聴行動データは,テレビCMの接触回数データに変換され,説明変数として広告効果測定に使われてきた。本研究では,ニュースやバラエティ等の番組ジャンルの視聴時間を目的変数とし,第1の研究と同様に,視聴者または家計は,1日のテレビ視聴可能時間を制約として,効用が最大となる番組ジャンルの視聴を行うと仮定している。本研究の提案モデルにより,番組ジャンルに対する選好や飽きの度合いが測定可能となる。分析結果からは,平日と休日の視聴行動の違いや,家計属性と視聴行動の関係について検証を行った。分析結果は,番組編成や番組レコメンデーションへの応用が考えられる。また,近年,スマートフォン等のモバイル利用時間が増加しているため,モデルをテレビ視聴時間だけでなく,パソコンやモバイル利用時間を含めた余暇時間の分析へ拡張することも可能である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績の概要で述べた第1の研究について,平成26年度に学会発表を行った。また,研究結果については,学術誌に投稿を行い,現在,新しいデータセットへの適用等の修正を行っている。第2の研究についても,今後の学会発表を予定しており,論文の作成も進めているところである。また,より頑健なモデル構築のため,行動経済学や消費者行動における理論的な先行研究の調査も進めている。

今後の研究の推進方策

研究実績の概要で述べた,2つの研究共に平成27年度中に論文発表を行えるよう進める。また,課題申請時の研究目的として,過去の購買経験だけでなく将来の期待を考慮した消費者の行動をモデル化することを挙げた。この目的についても,これまで調査した先行研究をまとめ,モデルの提案,データへの適用を行っていく予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 2015

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 効用最大化によるテレビ視聴行動の分析2016

    • 著者名/発表者名
      長谷川翔平,中野暁,李相吉
    • 学会等名
      日本マーケティング・サイエンス学会研究大会
    • 発表場所
      東北大学(宮城県仙台市)
    • 年月日
      2016-06-11 – 2016-06-12
  • [学会発表] 消費者選好変化の動学モデル2015

    • 著者名/発表者名
      照井伸彦,長谷川翔平
    • 学会等名
      日本マーケティング・サイエンス学会研究大会
    • 発表場所
      大阪府立大学(大阪府堺市)
    • 年月日
      2015-06-13 – 2015-06-14

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公開日: 2017-01-06  

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