近年、探索と深化という、2つのタイプの組織学習を同時に実践する、「両利きの経営」の重要性が指摘されている。本研究の目的は、この2つの組織学習をバランスさせるマネジメント・コントロール・システムを実証的に分析することである。 サーベイ研究による分析の結果、本研究の主たる成果は以下のとおりとなった。予算管理はマネジメント・コントロール・システムの中心であるが、日本企業では「弾力的予算管理」、「統制的予算管理」、「非統制的予算管理」の3つに分類される。このうち、統制的予算管理に分類される企業は、探索と深化という組織学習の程度が高く、両者をバランスさせていることが示唆された。
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