本研究の目的は、2004年3月期から開示が始まったリスク情報(有価証券報告書の「事業等のリスク」)に焦点をあて、テキスト情報(非財務情報)の有用性を明らかにすることであった。2003年度から2010年度までの大量サンプルを用いた実証分析を通じて、リスク情報開示と投資家によるリスク評価に関連があること、経営者による業績予想修正においてリスク情報開示が関連すること、監査人の属性がリスク情報開示に影響を与えることなどを明らかにすることができた。これらの研究結果は、リスク情報の情報有用性を示すものである。
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