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2014 年度 実施状況報告書

保険会計における対応原則の現代的意義

研究課題

研究課題/領域番号 26780259
研究機関早稲田大学

研究代表者

羽根 佳祐  早稲田大学, 商学学術院, 助教 (50636834)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード保険契約会計 / 対応概念 / 国際会計 / 資産負債アプローチ / 収益費用アプローチ
研究実績の概要

本研究の目的は、保険契約会計における費用収益ないし資産負債の対応の現代的意義を明らかにすることである。本年度は、研究全体の基盤を構築すべく、昨今の対応概念/対応原則に関する先行文献を網羅的レビューした。費用収益の対応手続は、収益費用アプローチから資産負債アプローチへと会計観が重点移行するとともに変容してきた。伝統的な対応手続のもとでは、実現収益に費用を配分していく計算構造であったが、資産負債アプローチのもとでは、発生費用へ見込収益を取り込む計算構造であったり、資産負債の評価損益の対応計算となっている。評価損益の対応計算では、資産負債アプローチの対応手続は「資産負債を整合的に会計処理すること」を意味する。金融商品会計基準や保険契約会計の基準案では、公正価値会計における対応手続が如実に表れている。
本研究では、収益費用アプローチから資産負債アプローチへ移行することで、伝統的対応概念が抱えていた問題点を解消できるかについても検討を行った。伝統的対応概念は、対応手続に代替的な手法がいくつもあり、さらにそれらが恣意的に選択されうる点が批判されてきたが、資産負債の対応手続にも同様の問題が内在している。資産負債アプローチのもとでは、伝統的対応概念の問題点の一つである計算擬制項目の計上を排除できるものの、資産負債(の評価損益)の対応方法には多様性が認められ、対応させるための会計処理は一義的に決まるものではない。保険契約会計では、利害関係者の多くは、資産負債の会計処理の不整合を解消することより、保険業のビジネスモデルと整合した会計モデルを求めている。保険契約会計には、保険契約の履行状況を把握/伝達することが期待されており、そこでは伝統的な費用収益の対応手続の意義が失われていない点を指摘した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

先行文献のレビューは完了したものの、レビュー対象の範囲が広かったこともあり、研究成果として取りまとめることに時間を要した。そのために、研究成果を本年度中に公表することができなかった。

今後の研究の推進方策

本年度の研究成果を早急に公表する。研究成果としての取りまとめ以外は、進捗度はおおむね良好であるため、本年度の研究成果を踏まえ、次年度の調査を予定通り進めていく。

次年度使用額が生じた理由

その他経費での支出を予定していた複写代・製本代が予定より少額であったことに加え、物品費(図書購入代)が若干予定より上回ったため。

次年度使用額の使用計画

物品費として支出する予定である。

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公開日: 2016-06-01  

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