研究課題/領域番号 |
26780260
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
若林 利明 早稲田大学, 商学学術院, 助手 (80705666)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | インセンティブ契約 / アイデンティティ / 日本的管理会計 |
研究実績の概要 |
本年度は、先行研究を参考にしてエイジェントの効用関数にアイデンティティや組織目標への信奉などの要素を導入し、既存のエイジェンシー理論を拡張したモデルを用いて、営利企業における事後的な業績評価の観点から会計情報の役割を論じた。 具体的には、エイジェントが組織目標を信奉する程度を「信奉度」と名付け、それが報酬契約においてどのようなメカニズムでいかなる役割を果たすのかを論じた。そして、第1に、なぜ日本企業のように固定給割合が著しく高い企業と欧米企業のように低い企業が併存できるのか、第2に、理論的にはインセンティブ契約を締結する方がプリンシパルの効用は高まるにもかかわらず、なぜ現実には固定給契約を締結しながら相対的に高いパフォーマンスを上げる企業が存在するのかを説明した。以上は、プリンシパルがエイジェントの信奉度を観察可能である場合の分析であるが、現実にはプリンシパルがエイジェントの信奉度を観察できない場合も多い。そこで、第3にプリンシパルが、エイジェントの信奉度の強さを観察できない場合にモデルを拡張した。 研究の成果は、日本管理会計学会やEuropean Accounting Associationなどの国内外の主要な学会において報告した。英語で成果を公表する際には、「信奉度」に直接的に対応する訳語が見当たらなかったので、”Identity”と名付けている。そして、1編の論文を公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目的通りに研究を進めることができ、かつ国際学会で報告可能な成果を得られている。
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今後の研究の推進方策 |
学会報告を通じて、「信奉度」および「アイデンティティ」の概念が曖昧であることや先行研究との関連が今一つ整理されていないために、本年度の研究成果の価値を明確に伝えることができなかったように感じられた。今後はそれらを改善し、学会誌への投稿を目指す。また、営利企業のみならず、政府非営利組織へ議論を展開させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
期間限定の割引運賃を利用したり、予定が確定した際には早めに航空券を予約するなどの工夫をしたことで、出張旅費を予定より廉価に抑えられた。また、本年度購入予定であったパソコンを次年度購入することにしたため。
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次年度使用額の使用計画 |
来年度は国際学会の報告を2度行うことがすでに確定しているため、海外出張旅費や英文構成の謝金として使用する。また、本年度購入予定であったパソコンを購入する。
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