研究課題/領域番号 |
26780261
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
山内 暁 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (10386542)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 無形資産 / 暖簾 / 負の暖簾 |
研究実績の概要 |
2016年度は、本研究課題に関連する成果の一部として、本報告書における【研究発表】の箇所において示した論文「負の暖簾発生益の実態に係る分析―日本における米国会計基準適用企業にみられる事例を中心に」を公表した。負の暖簾(負の暖簾発生益)は、無形資産としての暖簾(正の暖簾)の反対のものと位置づけられる。本論文では当該負の暖簾について、その事例を詳細に分析した。その結果、当該負の暖簾には、マイナスのシナジー、(正の)暖簾、過大支払、過小支払(バーゲンパーチェス)、支配プレミアム・非支配ディスカウントや非支配プレミアムといったさまざまな要素が混在していることがわかった。 そして、これらの要素のなかでもとくに特徴的であったのは、非支配プレミアムであった。一般的に、支配持分には支配プレミアム、非支配持分には非支配ディスカウントが付くと考えられているが、それとは逆の非支配プレミアムがみられるケースがあることがわかった。これらの結果は、昨年度の研究成果である論文「全部暖簾の構成要素に係る分析-IFRS任意適用企業における全部暖簾の事例を中心に」と通じるものがある。 2016年度はまた、無形資産会計に係る実務が確認できる歴史的な資料(財務諸表における表示や開示)の収集を集中的に行った。本報告書における【現在までの進捗状況】において記載している通り、当該収集は当初の予定よりも遅れており、未だ完了していないが、一定程度は進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
無形資産会計に係る実務が確認できる歴史的な資料(財務諸表における表示や開示)の収集について、前年度同様、完了させることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、無形資産会計に係る実務が確認できる歴史的な資料(財務諸表における表示や開示)の収集を行い、それを完了させる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究では、無形資産会計に係る実務が確認できる歴史的な資料(財務諸表における表示や開示)の収集を行っている。特に、企業結合時に取得または発生した暖簾などの無形資産およびそれに関連するデータを時系列的に収集している。当該作業については前年度に引き続き、複数の研究補助者を雇用して集中的に作業を行ってきたが、前年度と同様、その作業を完了させることができなかった。手間のかかる作業であるため、研究補助者の雇用・作業状況が当初の想定より悪く、当初予定していた雇用時間を大幅に下回ることとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
引き続き研究補助者を雇用し、無形資産会計に係る実務が確認できる歴史的な資料(財務諸表における表示や開示)の収集を行い、それを完了させるつもりである。作業に遅れは生じているものの、これまでの作業において一定程度の進捗はあるため、完了することは可能であると考えている。
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