研究課題/領域番号 |
26780266
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研究機関 | 広島経済大学 |
研究代表者 |
天王寺谷 達将 広島経済大学, 経済学部, 准教授 (60709773)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | イノベーション / 普及 / 管理会計 / マテリアルフローコスト会計 / 資源動員 / 正当化 |
研究実績の概要 |
当該年度も引き続き、マテリアルフローコスト会計が導入される条件を主題に据え、研究を行った。申請者は、Everett M. Rogersの「イノベーションの普及論」と、Malmi (1997)などで議論されている「導入者による抵抗」の概念を合わせたモデルを作り、導入者の抵抗を和らげるためのマテリアルフローコスト会計の設計を考察することを可能にした。当該研究成果は、2015年10月1日および2日にジュネーブで開催された、サステナビリティ会計について実践と研究のコラボレーションを目指した国際学会にて申請者により報告された。その場では、国際的な実務家および研究者と議論を交わすこともできた。彼らの指摘を受け、上述のモデルは、より実務家向けのものへと改善され、現在、Rogers (2003)が提示する「イノベーションの知覚属性」の一つである「適合性」に着目したモデルを構築するに至っている。本研究成果は、サステナビリティマネジメントの助けとなる手法であるマテリアルフローコスト会計の普及に貢献するものであると考えている。また、次年度にも学際的に会計を捉える国際学会にて、上述の改善モデルについての研究を報告する予定である。資源動員のプロセスを捉えるためのフレームワークに関する研究については、執筆活動を進めた。当該年度の成果としてはまだ出ていないが、その成果は、次年度に出版予定の著書2冊(英語文献1冊、日本語文献1冊)に掲載予定である(それぞれ1章分を申請者が担当)。またアンケート調査のための対象企業リストを作成した他、文献調査も継続して進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
先行研究からモデルを抽出する作業は、当初の想定以上に進んでいる。しかしながら、企業へのインタビュー調査は、プレ調査の段階にとどまっており、まだ本格的に実施できていない状態にある。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、資源動員のプロセスを捉えるフレームワークを精緻化させた上で、インタビュー調査を本格的に始める。管理会計を導入するための条件については、マテリアルフローコスト会計の導入に携わるコンサルタントの方々を対象にインタビューを行い、モデルの検証作業を進めたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
インタビューを本格的に実行できていないためである。
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次年度使用額の使用計画 |
インタビューを行うための旅費として使用する計画でいる。
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