研究課題/領域番号 |
26780277
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
小野 奈々 滋賀県立大学, 環境科学部, 助教 (90507716)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 小さなコミュニティ / 政治的交渉力 / 環境ガバナンス / 市民参加 |
研究実績の概要 |
(資料収集)本研究の事例地となる琵琶湖湖辺地域の環境運動の起源となったせっけん運動の関係者とコンタクトをとり,関係資料を収集した。このように事例地の時間軸を遡りながら,同時に,滋賀県流域治水室の職員に対してインタビューを実施し,水資源の利用や保全に関する市民参加制度をどのように実施しているのかという現在の状況についての動向の資料を収集した。その際,県内のその他主要なインフォーマントについて相談し,情報を得た。さらに,本研究のキーワードである「小さなコミュニティの政治的交渉力」を具体的に検討するための必要な作業として,琵琶湖沿岸の愛知川流域の農村の用水利用と土地改良区を中心とする用水のガバナンスの仕組みについてフィールドワークを実施した。 (論文投稿)未刊行となっていた業績の1つを学術雑誌の査読付自由投稿論文として投稿した。本研究のキーワードである「小さなコミュニティの政治的交渉力」のベースとなる議論を展開することにつながる内容である。その際,必要となったため,以前実施したインタビュー内容のテープ起こしを業者に依頼した。現在,査読結果待ちである。 (研究動向の把握)本研究のキーワードである「小さなコミュニティの政治的交渉力」を学術的な概念として定義づけるために,コミュニティ,ローカリズム,政治力といった検索ワードで海外の研究成果を収集した。 (インタビュー調査への企画準備)以上の作業を踏まえて,おおよそのインフォーマントを決定するために必要な資料を入手し,今後,インタビュー調査の対象を具体的に検討していけるよう準備した。また,県庁へのヒアリングの結果を踏まえて,今後,インタビュー調査を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画の一部に関わる主要なインフォーマントの一人が病気のために急遽入院したことが影響し,一部のヒアリングとそのインフォーマントから入手する予定であった関連資料の収集の作業がやや遅れてしまうことになった。そのことも関連して,計画上,学会発表を予定していたところを,発表のタイミングとフィールドでのデータ収集の時期がうまく一致せず実施できなかったので,代わりに,過去の関連する研究データで未刊行のものを査読付の論文として投稿するという,計画では翌年度に実施を予定していた作業に急遽とりかかった。学会発表と比べて,論文投稿は,掲載決定までにより多くの時間を要する。以上の結果,研究計画全体としては,初年度予定していた成果や作業量と比べれば,やや遅れている。 インフォーマントがすでに退院して回復しつつあること,そのことを受けて今後の調査を加速させること,滋賀県内の行政関係者や研究機関の職員などとのつながりを活用することで,次年度は,初年度の研究の遅れを取り戻すよう尽力する。また,初年度に実施できなかった国際学会での発表を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
8月に過去のデータを整理して,国際学会での報告を予定している(すでにアクセプトされて,報告することが決定している)。その際,英語でのプロシーディングを作成する。さらに,初年度に投稿した論文が掲載決定すれば,査読付学術論文となる予定である。このような研究成果を得る一方で,次年度も引き続きフィールドワークを続け,新たなデータを収集する。二年目の前半は関連データを広範に集めその中から特徴的な事例を抽出する作業に集中する。その結果を踏まえて,二年目の後半には,本研究のキーワードである「小さなコミュニティの政治的交渉力」を論じるために少数の適合事例に絞って,研究を進める。また,初年度に入手した海外の関連文献を読み込み,研究動向全般を把握するとともに,本研究のキーワードを定義づけ,事例分析に応用させるために必要な概念整理の作業に取り組む予定である。以上の成果をまとめて,最終年度に,学会報告や投稿論文のかたちで発表していくことを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末に端数として1万円強の金額が残ったので、次年度に繰り越すことにしたため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の予算とあわせて、消耗品の購入などの予算として利用する予定である。
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