研究課題/領域番号 |
26780285
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
山北 輝裕 日本大学, 文理学部, 准教授 (50579109)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 野宿者 / 知的障害 / 精神障害 |
研究実績の概要 |
本研究の題目は「野宿者支援と『自立生活運動』の社会学的研究」である。本研究では、野宿者・元野宿者の日常生活そのものが支援者との協同で「自立生活運動」として結実するものとする。そしてこの「自立生活運動」とNPOなどによる野宿者支援(生活相談等)の総体を「野宿者運動」と規定する。そのうえで、(1)各NPOごとに野宿者と支援者の関係性を記述し、比較検討する。(2)再路上化・「自立困難」な事例を分析する。(3)「自立生活運動」と地域の接続過程を解明することを目的とする。「野宿者」・「障害者」といった個別領域を横断するかたちで支援が行われている現場をふまえることで、「ホームレス自立支援法」以降の「野宿当事者運動」の意義や、よりよい支援のあり方を社会学的なエスノグラフィーを作成することで考察している。本年度は地域住民と野宿者の関係性を考察するために、2つの地区(具体名は調査中のため省略)にて、フィールドワークを行った。また池袋調査(知的障害を抱える元野宿者で、グループホームへ入居している方への聞き取り) では、インタビューの内容をまとめ解放社会学会で報告した。また報告した内容を「都市下層研究会」にて報告し、学外研究者から専門的なコメントをいただいた。さらにその内容を、知的・精神障害をかかえるひとりの男性が野宿状態から脱却するまでの物語として再編集し、『理論と動態』(社会理論・動態研究所)に投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は地域住民と野宿者の関係性を考察するために、2つの地区(具体名は調査中のため省略)にて、フィールドワークを行った。また当初の予定どおり池袋調査(知的障害を抱える元野宿者で、グループホームへ入居している方への聞き取り) では、インタビューの内容をまとめ解放社会学会で報告した(関西社会学会を予定していたが、解放社会学会を選択した)。また報告した内容を「都市下層研究会」にて報告し、学外研究者から専門的なコメントをいただいた。さらにその内容を、知的・精神障害をかかえるひとりの男性が野宿状態から脱却するまでの物語として再編集し、『理論と動態』(社会理論・動態研究所)に投稿した。なお当初の申請書では「伴走型支援」の困難を明らかにする予定とした。また運動が社会的資源を獲得する過程を明らかにする予定とした。これらの研究課題については、上記の学会報告・論文投稿によって一定程度の成果が得られた。したがって、本年度はおおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
野宿者と地域の関係性を考察するうえで、引き続きフィールドワークを行う。その際にさらにその課題が先鋭的に考察できる地区などを紹介していただくことができた場合は、調査地を追加するなど対応していきたい。また、都市社会学・地域社会学の理論を差別論の観点から再構成する作業にとりかかりたい。
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