本研究では、平時ならびに被災地域の「地域通貨」活動を事例に、地域通貨の「流通」の実態とその地域社会への「効果」の検討を行った。取引記録の社会ネットワーク分析、調査票調査と定性的調査(聞き取り調査、参与観察)を用いた分析の結果から、それは会員(地域住民)間のネットワークの形成に寄与していることが伺えるものの、取引ネットワーク内の階層構造の存在などいくつかの特徴が明らかになった。また、取引ネットワークの進化プロセスが同一組織内の会員種別ごとの2つのグループ(個人会員と組織会員)において異なることが分かった。
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