2000年以降、社会政策研究領域において、何らかの意味で働きづらさを抱えた人々への就労支援を通じた社会的包摂に関心が集まっている。その担い手として期待される組織が、労働統合型社会的企業である。本研究は、労働統合型社会的企業の成立問題と行動問題に焦点を当てて、複数のデータセットから研究を行った。 成立問題については、半構造化された状態にあること、ただし支援型/連帯型の二つの類型が確認できること、行動問題については、それぞれの類型で異なる価値・規範に基づいて働きやすい環境を作り出していることを明らかにした。政策的含意としては、類型にあった規制政策および、当人への所得保障が必要であることを示した。
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