日系南米人集住地域における外国人受け入れ意識の変容に関する実証的研究

2016 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 26780291
• 研究機関: 駒澤大学
• 研究代表者: 濱田 国佑 駒澤大学, 文学部, 講師 (50634523)
• 研究期間 (年度): 2014-04-01 – 2018-03-31
• キーワード: 外国人に対する態度 / 日系南米人 / 外国人集住地域

研究実績の概要

本研究の目的は、1990年代以降、急激に増加した日系南米人による集住が、地域社会および地域住民に対して与えた影響を時系列的な変化に着目して明らかにすることである。平成29年度は群馬県において、共同研究者が実施する日系南米人の生徒および保護者に対する調査に参加するとともに、調査対象地域の中学校やブラジル人学校などの教育機関において機関調査を実施するなど、各種の情報収集をおこなった。
その結果、リーマンショック以降、群馬県太田市・大泉町などの外国人集住地域において、南米系の外国人住民数は減少を続けているものの、現在も引き続き居住している人たちに関しては、日本社会への定着が着実に進んでいることが明らかになった。たとえば、インタビュー調査の対象者の中で、住宅を購入したという事例も多く見られるようになっており、申請者が実施した10年前の調査における状況とは大きく異なる様相を見せるようになっている。ただし、その一方で、日系南米人の子どもの教育達成に関しては、10年前と変わらず、大きな問題が存在し続けているという状況も確認された。
このような調査結果を踏まえた上で、平成29年度は、日本人住民を対象にして、外国人住民に対する態度や外国人住民との共生に関する意識をテーマにした調査を実施する。具体的には、群馬県の日系南米人集住地域において郵送法による調査を実施する予定である。また、調査結果の分析を進め、日本人住民による日系南米人の受け入れ意識、共生に関する意識が10年前と比較してどのように変化したかを具体的に明らかにする。

現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

平成29年度は育児に大きく時間を割く必要があり、研究を進捗させることが困難であったため、補助事業期間の延長を申請し、承認を受けた。

今後の研究の推進方策

平成29年度の早い時期に調査を行い、その分析に着手する予定である。また、調査にあたっては、群馬大学に所属する共同研究者と連携をとり、協力を仰ぎながら進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

平成28年度に予定していた調査の実施が遅れ、平成29年度に実施することになったため。

次年度使用額の使用計画

標本サイズ3000の郵送調査を計画しており、印刷費、郵送費などの調査費用として約105万円を見込んでいる。また、データ入力、クリーニング、サンプリングに関する謝金として約25万円、調査旅費、打ち合わせに関する費用として約20万円の支出を見込んでいる。